岡山・児島1日目旅行記|瀬戸大橋の絶景ホテルと想定外の滞在記

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新大阪駅から岡山へ ー e5489に助けられた旅の始まり

e5489ならすぐに新幹線チケットが手に入る話

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「東に行ったから、今度は西の岡山に行ってみたい!」

そんなことを妻は言い出した。
義父が妻に岡山県民の人柄の良さを説いていたためかもしれない。

2026年5月17日 午前9:00 新大阪駅中央改札口 みどりの窓口内

私たちは事前にe5489というネットサービスで新幹線チケットをとっていた。
ただ問題があった。
e5489で予約しただけでは乗れず、先にチケットを発券しなければならないのだ。
そんなわけでみどりの窓口にやってきていたのだ。

「Ticket here?」
スーツケースを引いた外国人観光客が、少し困った顔でこちらを見る。

「Yes」

こんな風に外国人観光客にも話しかけられる。
日本の公教育に多少は感謝する瞬間である。
コミュニケーションは楽しく嬉しい。

そんな会話をしていると外に発券機のようなものを見かける。

「ちょっとあれを見てきて欲しい。」

妻に発券機かどうか確認してもらう。
すると妻がこっちに合図を送っている。

どうやらビンゴらしい。
私は後ろに並んでいた方に会釈をすると、発券機に向かう。

なんと並ばなくてもチケットが手に入ったではないか。

e5489は事前予約だけでなく、駅の指定席券売機ですぐ発券できるのが便利だった。
混雑する新大阪駅ではかなり助かるサービスだと思う。

そうして私たちは最初の関門、新大阪駅を旅立った。
目指すは岡山駅。
わずか1時間の旅である。

岡山駅から後楽園へ|岡山城のお堀を川だと思っていた夫婦

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後楽園の散策と岡山城の風景|整いすぎた日本庭園の魅力岡山後楽園に着いたとき、まず感じたのは「思っていたよりも広い」ということだった。地図で見ればわかるはずなのに、実際に足を踏み入れるとスケール感がまったく違う。整えられた庭園の中に、まっすぐ…

岡山駅に到着すると、新幹線ホームのある3階から在来線ホームの2階へ下り、そのまま東口改札へ向かう。
私たちのお目当ては、岡山の街を走る路面電車と後楽園、岡山城だった。

東口を出ると一度、地下道に潜る。
以前とは路面電車へのルートが変わっているらしい。
案内板に沿って5分ほど歩くとビッグカメラの地下入り口があり、その正面に地上に出る大きなスロープがあった。

さすが岡山。
案内も親切である。

そのまま大通りに出る。
上がって右手には大通りの中央に路面電車の駅が見える。

「東山ゆきでございます。」

ちょうど到着したらしい。
岡山の路面電車には別方向へ向かう路線もあるとのこと。
間違えないよう、行き先表示を慎重に確認した。

「2駅先の城下電停で降りるよ。」
妻にそう伝えた。

ガタンゴトンと揺られて数分後。

「降りるよ。」
「もう1駅先だよ。」

何を言っているのか分からなかったが、後で聞くと駅での停車を信号待ちをしていたと思っていたらしい。
さすが天然系女子である。

城下電停には信号から歩道に出る道と地下に伸びる階段があった。

「後楽園と岡山城は地下かららしい。」

ここも案内がわかりやすい。
ただ、英語表記が少ないので外国人観光客には不親切かもしれない。

つまり、日本人観光客ばかりなのではと期待が膨らむ。

地下道を抜けると右と左に分かれる。

ーー後楽園正門か南門か

ちょっと迷って私たちは岡山城のある南門、つまり右ルートを選んだ。
この選択が好判断となる。

「いい景色だね。」

川には船が浮かんでいる。
鉄骨の大きな橋の下を、屋形船がボンボンボンという音を立てながら通り抜けていった。
背後には岡山城だ。

「これは当たりルートやな。」

夢中でカメラを切る。

「向こうの河岸にカフェがあるやん。入ろうよ。」

妻を誘うと嬉しそうに頷いた。
このあと私の重大な勘違いが発覚するとも知らずに。

「風が抜ける!涼しい!」
「眺めもいいね。」

「あっ」

私は気がついてしまったのである。
川がお城を中心として流れていることに。

そこでようやく気づいた。
これは河川ではない。

岡山城のお堀だったのだ。

なぜこのような勘違いをしたかというと。
地元の大阪城でもお堀で舟を浮かべるなどという優雅な文化がなかったからである。

風情ある観光に感動したのだった。

「揚げきびだんご4つです。お待たせいたしました。」
「ありがとう。」

しばらくして、
「よし、撮影も終わったし食べようか。」

「あれ?3本しかない?」
「もう食べた。」

「まだ撮ってないやん!」(怒)

食いしん坊の妻である。
撮影続きで熱を持っていたiPhoneもようやく冷え、竹林に沿って歩き出した。

その時の私たちは、南門がすぐそこにあるとも知らず、のんきに正門へ向かっていた……。

岡山後楽園のお茶会へ|妻の熱意に押し切られる

岡山後楽園の正門前に到着。
この時の私たちは、まだここが南門だと思いこんでいた。

この日は日差しも強く、時計の温度計は5月なのに30度を超えていた。
撮影続きのiPhoneはすぐ熱を持ち、何度もカメラが不安定になった。
このあと私は、肝心の風景撮影に苦労することになる。

京都、依水園の時は濃縮された和があったが、岡山後楽園は広大な和を感じた。
中央を通る道の奥に岡山城が見える。

視界いっぱいに、贅沢な緑が広がっていた。

どうやら今日はお茶摘みのイベントがあるらしく、茶摘みの装束を着た方々を見かける。
また地元の大学の茶道部がお茶会をやっているとのことで、お茶の心得がある妻は興味津々だ。

「お茶会行きたい!」

妻がぐいぐい押してくる。

「お、おう、行くか。」(苦笑)
女は強しである。

中は撮影禁止だったが、妻の熱意に押されて入ることにした。
すでに20人くらいがまだかまだかと小部屋で待っていた。

「お待たせいたしました。会場へどうぞ。」

そう通されると大広間に通される。
襖が開け放たれており、涼しい風が吹き抜ける。

正面で学生さんが茶器やお茶、和菓子などの説明をしている。
しかし、緊張感が伝わってくるせいか言葉が頭に入ってこない。

私の唯一の友人も実は茶道部出身でこのような会を開いていたことを思い出した。
彼もまたもてなし力の高い人柄であった。

話は逸れたが、そのような緊張感の中、撫子というお菓子を差し出されてハッとした。

「あ、ありがとうございます。」
小声でお礼を言う。

一口食べて妻と顔をあわせる。

「お、おいしい。」

外側は葛と生地で包まれており、半分に割るとこし餡が姿を現した。
今日のような初夏から夏にかけて食べると口の中がひんやりするような感覚になる。
まさに今日のお茶会に相応しい逸品であった。

その後、私はまるで野球監督のように身振り手振りで少し離れた妻にサインを送る。

「包み紙どうしたらいいの?」(無言)

マナーやしきたりがまるで分からないので、妻に恥をかかせまいと懸命になる。

帰ってきた答えが、

「分からない」

私は絶望した。
この後、お茶を配られることが予見できたからだ。

しかし、その後お茶を配られた際に、生徒さんにそれとなく包み紙を差し出すと、にっこり笑って受け取ってくれた。

ホッと安堵する。

そんなドキドキしたお茶会も終わり、我々は散策に戻った。

あの一番高い丘に登ろう。
後楽園を一望しよう。

沢の池にいた鯉にもお別れを告げて、我々は唯心山に登った。
登ったと言ってもほんの1分間、階段を上がっただけである。

額に汗が光る我々に初夏の風が吹き抜ける……
木々の影がひんやりとして心地よい。

素敵な庭園だったね。

すっかり昼食モードになった我々は、後楽園を後にした。

「え?ここ南門やん!さっきのカフェ、すぐそこやん!」

あまりに驚いてカタコトの日本語になってしまった。
しかも、昼食どころまで併設されていた。

河岸の席は流石に昼食どきともあって満席だった。
仕方なく中の席で手打ちうどんをいただく。

いかにも手打ちらしく形が歪なものもあったが、我々は天ぷらの量に満足していた。

次は、桃太郎伝説ゆかりの国宝・吉備津神社へ向かう。
憧れていたローカル線の旅が、ようやく始まるのだ。

桃太郎線で吉備津神社へ|初めてのローカル線旅

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後楽園の余韻を胸に、私たちは路面電車で再び岡山駅へ戻った。

本当は西口近くの「浅月本店」で岡山ラーメンを食べたかったのだが、今回は時間の都合で断念した。
岡山駅周辺でラーメンを探している方は、ぜひ候補に入れてみてほしい。

ぜひ、感想などをコメントいただければ幸いである。

さて、我々は10番線から桃太郎線、総社行きで吉備津神社のある吉備津駅に向かう。
初めて実際に見る2両編成のローカル列車に心が躍る。

実際のディーゼルエンジン音を聞きながら出発するシーンにテンションが最高潮に達した。

吉備津駅までは約10分で到着する。
初めて見る無人駅である。

熱心にホームからの風景を撮影した。
そしてICカードがある現代に感謝しながら改札を出る。

吉備津神社までは10分ほど松林を通る。
周囲は一面の畑。
都会育ちにはたまらない、“地方に来た感”が一気に増していく。

ここまでくると観光客もまばらである。
それに外国人観光客となるとレアな存在になる。

外国語が飛び交うようなメジャーな観光地と無縁なので、そう言う場所を好む方にはおすすめかもしれない。

そうこうしている間に吉備津神社の駐車場に到着する。
目の前にはいかにもな売店がある。

ーーきびだんごソフト

「美味しそうだな」

と、私は暑さに負けて頼んでしまった。
この売店の女将は策士である。

きびだんごが添えられたソフトクリームがカップに入ってやってきた。
きなこがまぶされている。

「ん?これきなこで水分が持っていかれる!」

そう妻に訴えると妻が私の背後を指差した。

「自販機あるよ。」

女将、策士である。

休憩を終えると我々はいよいよ、国宝の吉備津神社に参る。
急な階段を上がると参拝できるところがある。

「妻とずっと一緒にいられますように、妻がずっと健康でありますように。」
私は妻の身を案じる。

桃太郎のモデルになった吉備津彦さんに参拝を終える。
そして拝殿の右手、メインディッシュである約400メートルもの廻廊(かいろう)がある。

桃太郎伝説のモデルになった吉備津彦命には、鬼のモデルとも言われる王と弓で戦った逸話が残っている。
まるでその弓を連想させるような曲線になっている。

最初は急な下りであるが、帰りは急な登りになる。
ハアハアと息がきれる。

夢中でシャッターを切っていると妻がアッと声を上げた。
御朱印の受付時間が終わってるかもしれないと言う。

諦めそうな妻に言う。

「諦めずに受付所に行ってみては?まだ15時って閉まるの早くない?」

私の勘が当たる。
私たちの心配をよそに、何事もなかったかのように受付が終わった。

「よかったやん。」

「うん、よかった。」

そう妻は嬉しそうな顔をする。
AIの情報を鵜呑みにしないようにと口酸っぱく言っているのに……妻は間違った情報を見ていたらしい。

そんな小言を言いつつ、妻は御朱印帳を嬉しそうに受け取った。
きっと私に話は右から左に流れているに違いない。

不満そうに私は吉備津神社を後にした。

「この踏切、渡るのかな?」

妻が行きに乗って来た線路を渡るかどうか目の前にして聞いてきた。

「普通の感覚なら渡った先に下り線のホームだけど、この先に公園があるから行けないかも。」
私は答える。

前に人についていこうという結論になる。
疲れていて思考が完全に停止していた。

ところが、前を歩いている人も道に迷っていた。
私たちも一緒になって引き返す。

帰りがわかりにくい……

正解は、行きに降りたホームから構内踏切を渡り、反対側のホームへ移動するルートだった。
吉備津神社から岡山方面に戻る際は気をつけたいスポットである。

10分ほど待っていると電車がやってきた。
待合所は観光客でいっぱいであったが、電車では日曜の夕方前ならば座れるくらいの余裕があった。

岡山駅から快速マリンライナーに乗って小島駅に向かう。

8番線に到着したこの列車に座った瞬間に私は血の気が引いた。

「リュック網棚に忘れた!」

万事休すである。
この旅行も絶望的だと思ったその時。

まださっきの電車が発車していない!
登りエスカレーターからさっきの列車の屋根がわずかに見えた。

まさに一筋の光が見えたのである。

下り階段を飛び降りるように下る。

「すみません!バッグ忘れました!」
車掌さんに遠くから叫ぶ。

息を切らせながら網棚のリュックを掴む。

リュックがそのまま残っていたことに、日本の治安の良さを実感する。
そして、発車前に気づけた自分たちの幸運にも感謝した。

私たちは、ようやく児島のホテルへ向かった。
しかし、この旅最大の試練が待ち受けていることを、この時の私たちはまだ知らない――。

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